-- 蔵書の紹介「魏志倭人伝」 --
魏志倭人伝は(ぎしわじんでん)
中国の正史、三国志の中の「魏書」(全30巻)に書かれている東夷伝の倭人の条の略称であり、日本で一般に知られている通称である。江戸時代の漢学者の中で三国志という書名を用いず、魏志、蜀志、呉志などと称する慣習があり、この通称が用いられた。正式な名前は、『三国志』魏書、東夷伝倭人条、である
。
全文で約2000文字からなっている。
著者は西晋の陳寿で3世紀末280年~290年間に書かれた。
著者陳寿の死後正史の扱いを受けた。
現存する数種の版本の内、中国では諸本を校訂した、中華書局本が多く通行していて、日本語訳もこれを底本としている。
魏志倭人伝は、東夷伝の中に倭及び倭人の記述があるということに過ぎないが中国正史中で、はじめて日本に関するまとまった記事が書かれている。
当時の倭には、邪馬壹国を中心とした小国の連合が存在し、また邪馬壹国に属さない国も存在していたことが記されていて、その位置、官名、生活様式についての記述が見られる。
また、本書により当時の倭人の風習や動植物の様子もある程度判明しており、弥生時代後期後半の日本を知る、第一級史料とされている。
ただ、必ずしも当時の日本の状況を正確に伝えているとは限らないこと、多様な解釈を可能とする記述がなされていることから、邪馬壹国に関する論争の原因となっている。
三国志の内、魏志は1~11巻、29~30巻、蜀志は1~15巻、呉志は1~20巻を蔵書している。
魏志の30巻、魏志倭人伝のコピーを提供している。