-- 和算の本「渾発量地速成」上下巻 --
「渾発量地速成」上下巻という本があります。藤岡有貞が1846年にだした和算の本です。
渾発。読めますか?
「コンパス」のことです。200年近く前にコンパスがあるというのも不思議な感じがしますが、現代のように円を描く道具ではありませんでした。
この本を読むと、そのことが良く伝わってきます。
コンパスは測量の道具なんです。
普段の生活では、必要の機会の少ない三角関数の本来の使い方がここにあるように思います。
未知の高さの木があった時、コンパスで測った角度と、測量地点までの距離が解れば、その高さが導けるのです。
実用的な数学と、和算の奥深さを感じることができる本でもあります。