科学技術の最先端の一つは宇宙技術なのだと思います。
私共では、将来の宇宙旅行時代のことを踏まえた研究をいくつか行っています。
その一つは、摘み草ブログで紹介している農業や植物の分野のものであり、限られた空間で農業を行うベランダ農業やコンテナ栽培や、機能性・薬効性を含む植物の検討、また、蚕と桑の様に果実・葉・繊維・燃料・動物性タンパク質などの複合的な収穫を踏まえた検討を行っております。
もう一つの試みが、宇宙船を一つの閉鎖空間ととらえて、
その中での人の社会性や、エネルギーの収支、必要な面積などの検討です。
この時に資料となっているのが、山村の生活を表した統計や文献です。
私共の蔵書では、民俗学的にも重要な秋山記行、文政13年(1830年)が上げられるかと思います。
秋山記行の特設ページ
秋山記行の舞台は、長野県と新潟県の県境の魚沼郡津南町と長野県下水内郡栄村にまたがる秋山郷になります。
この山間部の山村の冬は雪深く、小さな集落が点在しています。いわゆる陸の孤島です。この点で、宇宙船と山村は閉鎖空間・閉鎖環境と言う意味で近い物なのです。
今でこそ、県道が走り、交通の便は格段に良くなっていますが、江戸時代、村を越えた範囲でのやりとりは多くなく、その小さな集落の中で、婚姻が行われ、世代を重ねてきています。
そこには、人間が種の維持や、社会性を維持する最小の条件がそろっている訳です。
秋山記行では、飢饉によって消えてしまった村や、疱瘡・天然痘によって、大きな被害を受けた村が登場してきます。この部分では、医学の面からのアプローチもできるかもしれません。
また、育てる農作物の品種にも取り決めがあったでしょうし、食品の分配にも様々なルールがあったことでしょう。村民の中で、医者や教員など、必要な役割をどのように分担したのかなどについて、古文書の情報が役に立つのです。
古い物を見直し、新しい発見をするのは、当図書館の使い方の一つかと思います。
話がまとまりませんでしたが、取り組みをご紹介させて頂きました。
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