小松原大火誌は大正15年(昭和元年・1925)4月20日、長野市篠ノ井小松原にて起こった400ページを超える大火災・大火の記録です。
南北に長い小松原集落の大半をわずか2時間で焼き尽くし、154戸数100棟が被害を受けました。
この大火の原因は、
(1)出火場所が集落再南端
(2)未曾有の南烈風(秒速26メートル)
(3)地の利の悪さ
(4)火災の季節であったこと
があげられています。
復興に当たり、この本が製作されました。
幸い、当時、養蚕・絹糸の価格が良いときでもあったため、住宅の再建など、数年での復興ができていたようです。
今回、この本を紹介するのは、
未曾有の大地震と津波の被害にいたり、被害の少ない地域でも、歴史資料を基にその地域の防災についても考える役に立てないかと願うばかりです。
本には、原因についての考察、当時の写真、農作物の価格への考察、被災者の方からの多数の文章、配分表など様々な情報が公開され記載されています。
感心した記載の中には、
救援品の分配方法。
この時も、周辺の方々の善意によって多くの義援金と救援品が提供されました。
まず、義援金は納税額、家族構成を元にすべてを分配し、その義援金で救援品を買うという方法がとられました。
もちろん、食料や水など、必要なものは配っていたようですが、様々な救援品は、必要なものを、レートを下げた価格で義援金を使って買っていました。災害時ですから、村内の商店の営業もままならなかったので。
買い物をするという行為が、気持ちを落ち着ける効果があったのかもしれません。
今の報道でも、下着、靴などの衣料品などはサイズが合わないことも、しばしばで、単純な配給では要望に対応できなくなっているようです。
こういった問題を改善できる様に思います。
また、この購入で得られたお金は、義援金を分配した同じ要領で、再び被災者の方に渡されます。義援金が減ってしまうという訳ではないのです。
こういったことも一つの参考になるのではと思います。
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小松原大火誌 A4復刻版 408ページ
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