-- アセンヤク ガンビール阿仙藥(0452) --

一名ガンビール阿仙藥樹と稱し専ら印度マラツカ海峡に位する諸島及び海峡の沿岸に産する蔓性の灌木なり。葉は尖卵圓形或は橢圓形にして短き葉柄によりて對生し、普通卵圓形なるも、稀に二裂する托葉を有す。花は球状をなし中途に四個の小葉を有する長き花梗によりて葉腋上に一對づゝ着生す。本花の有する蕚は先端五裂し、雄蕊は五個ありて短き花絲によりて側立し、雌蕊は柱頭長く花冠外に抽出す。子房は二室を有し果實は内に多數の種子を藏す。
【藥】 本植物の葉及び嫩枝より製出したる水製エキスをガンビール阿仙藥と稱す。主として「カテヒン」と少量の阿仙藥紅色素を含有し、重に收斂劑に供用す。局方には阿仙藥丁幾を製するに用ひ、工業上には皮革を鞣化するに賞用す。