-- アオキ Aucuba japonica 桃葉珊瑚(1034)* --
大正時代の植物事典 (大植物図鑑 "アオキ")

一名あをきばと称し山地に自生する常緑灌木なれど又鑑賞用として或は木材採取用として愛養せらるゝ植物なり。葉は對生し長楕円形にして尖り緑邊に大鋸歯を有し長さ五六寸に達す。花は単性、異株に生じ花瓣は四箇を有し稍々淡紫色を呈す。春末開花し花後長楕円形の果實を結び冬より翌春にかけ紅熟す。一種白色の果實を有するものにシロミノアヲキ、小形なるものにヒメアヲキ等称する種類あり。
【園】 主として其の常緑なるを賞するために庭園へ栽植するものなれども果實を見んとするには前項記述の如く本植物には雄木と雌木との区別あるものなれば雌木のみを移植しては結實不可能なり故に是非共雄木を其の附近に移植せざるべからず。若し雌木のみを植え付けたる時は他の庭園にある雄木の花枝を取り来り人工交配を行ひ結實せしむること肝要なり。
【薬】 本植物の生葉を搾りたる汁は擦り傷を治す。又葉を日干しにしたるものは粉末にし油と混合し湯火傷に塗布すれば治癒すること妙なり。若し日干しにしたるものなき場合は生葉を揉みて其の汁液を塗布するも可なり。
【栽培法】 栽培法は別に記述する迄もなけれども本植物を繁殖せしむるには挿木法、取木法、播種法何れにても完全に行はるゝ品種なり。
江戸時代の植物事典 (長野電波技術研究所附属図書館 蔵書)
書籍名
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和漢三才図会
84
灌木
江戸時代の植物事典 (古事類苑 "青木")
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和漢三才図会
84
灌木