大正時代の植物事典 (大植物図鑑 "エビヅル")
一名イヌエビと稱し、山野に多き蔓性灌木樣草本にして莖葉共に前種より小に葉は掌状に分裂して下面に淡赤白色の細毛を密生す七月頃開花し花後紫黒色の果實を結ぶ。果實は食用に供し叉釀酒の原料とす。
【藥】 本植物の葉を採り日に乾して揉むときは熱艾となる、之れを藥モグサと稱し、疣に炙すれば必ず落つると云ふ。