-- アオハダ (1454) --
アヲハダ (1454)

一名マルバウメモドキと稱し山野に自生する落葉喬木にし幹高さ三四十尺に達す。本植物の樹皮は灰白色を呈し少しく綠色を帶ぶるを以て此名を得たるものなるべし。葉は廣卵形にして縁邊に尖鋭なる鋸齒を有し、多く短縮せる枝梢に叢生するを見る。初夏帶白色の小花數箇宛を梢上葉腋に簇生す。果實は球形にして凸頭を有し熟して紅色を呈す。
【工】 本植物の材は種々の挽物細工に用ひ、嫩葉は食用とし叉茶の代用に供せらる。其の使用法は通常の番茶を製する如くし、其の用法も亦同樣にして可なり。