カギカヅラ (427)
一名カラスノカギツルと稱し主として本邦暖地に自生する蔓性木質の草本にして尖端なる卵状形の葉を對生す。本品は其の各葉腋毎に二個づゝの曲鉤を有し之れによりて他物に纒縁す。夏日白色なれとも少しく黄褐色を帶べる微細花を毬状に着生す。此の一花は長き漏斗状をなし、内に五雄蕊と、花冠より長く抽出せる一雌蕊とを有す。
【藥】 本植物の曲鉤を採取し陰干しにしたるものを茶劑とし收斂藥に供す。