-- カマラ 加麻刺(1508) --

和名をクスノハガシハと稱すれども本植物は濠洲「フイリツピン」、東印度等に産出する常綠の喬木にして、幹高さ凡そ二丈に達す。葉は長卵形にして長き葉柄により互生し、花は單性にして花冠を缺き、雌雄異株に生ず。本植物は稚枝、葉部、花部共に毛茸及び腺を以て蔽はるゝ特徴あり。果實は圓形の蒴果をなし、其の表面に赤褐色粉状の腺體を密被す。
【藥】 有用なる藥用植物の一なり。即ち果實に附着せる腺體を振動或は敲打して採取せるものを「カマラ」と稱し、縧蟲の驅徐藥として重要す。其の他英國及び印度地方にては赤色の染料に使用する處あり。