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-- コカ 古柯(1564) --
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素と南米「ペリユー」の南部に自生したるものなれども、現時は同國「ウルバンバ」州、「クスコ」州及び「ボリヴヰヤ」等に於て盛に培養す。其の他西印度の「ジャマイカ」島、東印度の錫蘭島、「サンジバール」、濠洲等にも移植栽培せらるゝ灌木にして、幹高さ一丈許に達し、紫褐色不平坦なる皮を有し、幼枝の皮は滑澤なり。葉は單葉にして互生し、各葉は長卵圓形にして頂端微尖鋭、基礎部は狭細となり、葉柄短く、縁邊平坦にして少しく反卷す。此の葉は上面綠色、下面淡藍綠色を呈し、枝條には細小にして殆んど三角形を呈する鰭状の副葉を附着す。花は細小の兩性花にして三箇乃至四箇づゝ葉腋叉は副葉の葉腋より抽出す。花冠は五瓣よりなり淡黄色を呈す。花後生ずる果實は長卵圓形にして猩紅色なり。

【藥】 本植物の葉を「コカ」葉と稱し藥用に供す。本品は薄くして長卵圓形をなし、縁邊少しく屈曲し、多くは其の主脈の各側に稍々弓状に彎曲せる綠條を現出す。

主成分は「コカイン」なる「アルカロイド」を含み、其の他に少量の「ヒグリン」なる液状の「アルカロイド」を含有する外、一種の鞣酸及び揮發油の痕跡を含む。主として「コカイン」を製するに用ふれども、稀には丁幾、浸劑として應用することあり。


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