-- クララ Sophora flavescens 苦參(1706) --
大正時代の植物事典 (大植物図鑑 "クララ")

一名クサエンジュと稱し、山野に自生する多年生草本にして、莖の高さ四五尺に達し、多數の小葉よりなれる羽状複葉を互生す。六月頃梢上に總状花序をなし、淡黄色を呈する蝶形花を穂状につづる。此穂は長さなるものは七八寸に及ぶ。花後細長き莢を結ぶ。
【藥】 葉莖の煎汁を害蟲驅除に用ひて効あり。有毒植物の一とす。本植物は左に諸病に用ひて効あり。
(イ)子實を煎用すれば痩疹によく、根部を乾燥して煎用すれば皮癬其の他皮膚寄生蟲を驅除する効あり。
(ロ)葉莖の煎汁は癰瞳を治す効あり。
(ハ)根を酢にて煎用すれば容易に野菜の中毒を全治す。