-- コパイバ 骨湃波樹(1760) --

一名「コパイバ、バルサム」と稱し、南亞米利加南部原産の常綠喬木にして。幹の高さ凡そ二十尺に達す。葉は四乃至十箇の小葉より成る偶數羽状複葉なり。花は四箇の蕚片を有し花冠を具へず其の色白色を呈す。果實は稍々橢圓形の莢にして一箇の種子を含む。
【藥】 本植物の幹に孔穴を穿通し浸出せしめたる「バルサム」にして之れを「コパイババルサム」と稱し、藥用に供す。本品は帶褐色或は淡黄色澄明の濃厚なる液にして、微に黄色の色彩を放ち、特異の香氣と微苦を有し、後辛烈なる味を有す。
本品は尿道諸器官の疾患殊に淋病に應用す。