-- コロンボ (2251) --

亞弗利加東岸「マダガスカル」島に對する「モサンビツク」、「ツアンバール」等に産出する蔓性の多年生草本にして、纒莖を有し各部に綿毛を帶ぶ。葉は巨大にして葉柄を具へ五乃至七箇に分裂す。花は小形にして其の色淡綠色を呈し、花冠は六箇の花瓣よりなり、之と同數の蕚片を有し、内に六個の雄蕊及び三個の雌蕊を含み、花後石果を結ぶ。
【藥】 本植物は藥用植物として本邦に輸入せらる。即ち藥用に供するは其の根莖にして之れを「コロンボ」根と稱す。本品は圓形乃至橢圓形の横載根片をなし多少反曲し、其の質堅固なれども輕くして粉塵を着け、外面灰褐色にして皺紋多き抱層を被り内面は綠黄色或は帶褐黄色を呈し暗色の新生組織輪によりて皮部と木部と區劃せられ中心に髓を缺如す。
本品は從來「コロビン」、「コロンボ」酸及び「ベルベリン」を含むとして知られたれども、輓近の試驗によれば「ベルベリン」は存在せず「コロンバミン」なるものを含有する外澱粉を含有す。
本品は收歛性の苦味藥として用ゆる外、慢性下劑に用ゆ。藥局法の製劑は「コロンボ」越幾斯とす。