-- ギシギシ Rumex japonicus 羊蹄(2544) --
大正時代の植物事典 (大植物図鑑 "ギシギシ")

叉シブクサとも稱するものにて稍々濕氣ある原野路傍に多き草本なり。初春より一尺餘の長大葉を叢生し、地下に長き太き黄色根を有す。四五月頃高く莖をぬきて數枝を分ち梢上花穂をなす。毎節十數花層をなして下垂す。花色は淡綠白色を呈し花後翅を有する果實を生ず。
本種には其の種類甚だ多く中にも葉の長橢圓形にして特に長形をなすものありナガバギシギシと稱し到處の平野に自生す。
【藥】 本植物の根を生のまますりおろしたる汁液は疥癬、腫物に貼りて即効あり。
叉この根をすりおろし之れに饂飩粉及び卵の白身を適宜混合してよく練りたるものを生紙にのべ、「リウマチス」の患部に貼れば一夜にして痛みを去ること妙なり。