-- カナムグラ Humulus japonicus 葎草(2628) --
大正時代の植物事典 (大植物図鑑 "カナムグラ")

路傍、籔叢等に繁茂する蔓性の一年生草本なり。莖は蔓性をなして長く成長し他物に纒縁す。葉は掌状に數裂し長き葉柄によりて對生し、莖及び葉柄に短鈎刺を有し葉身にも亦短刺毛ありて全體粗糙なり。前種と同じく雌雄異株にして雄株は夏秋の候葉腋に花莖を抽くこと七八寸に達し其の先端に葉を互生し更に分岐して淡黄綠色を呈する雄花を儧簇し、雌株は鱗片ありて短穂状をなし下垂して綠色を呈す。
【藥】 田畑原野等に蔓延し有害なる雑草なれども、本植物の種子は苦味を有し、之れを煎用すれば健胃劑として有効なるものなり。