-- スイカズラ Lonicera japonica 忍冬(0363) --

又にんどうとも云ふ。山地路傍等に自生する蔓性の小灌木なり。葉は橢圓形をなして對生し冬季に至るも凋まざるを以て忍冬の名を得たるものなり。初夏白色なれども後に淡黃色に變色す。此の花は一種の芳香を有す。一種蔓性を呈せず普通の木本狀をなせる品種ありギダチニンドウと稱す。
本屬の植物は凡て單葉を有し、花冠は整齊なるか或は不整齊、雄蕋5箇、花柱は絲狀にして柱頭は節狀をなす。果實は漿果にして1乃至3室を有し數個の種子を含有す。蕚は短き裂片と橢圓形の筒を有す。本屬名は獨逸の植物學Adam Lonicera氏の名譽表示のため名づけたるものなり。
【藥】本植物の葉は古來より吸ひ出し藥として使用するものにて一種の家庭藥品とす。卽ち本植物の藥を熱灰の中に挿入し變色したる時取出しよく揉みたるものを瘡腫の上に貼布すれば其毒性を吸ひ出だすものなり。其の外、莖葉を採取し乾かしたるものを茶の代用として飮用するものあり。