-- セネガ Polygala senega 攝涅瓦(1519) --
大正時代の植物事典 (大植物図鑑 "セネガ")

北米「アイオワ」、「ネブラスカ」、「ダコタ」の諸州に産出する藥用植物にして彎曲分岐せる根を有し之れより多數の莖を抽出し、被針形全邊の無柄葉を互生す。此の葉は下部小にして上部に至るに従ひ大形となる特徴あり。花は綠白色叉は類赤色を帶び、五箇の蕚片と三瓣の花冠とよりなり、前部の一花瓣は他の二瓣より巨大にして船状をなし、刷子状の附着物を有す。
【藥】 本植物の根を「セネガ」根と稱し藥用に供す。其成分は「セネギン」なる中性配糖質及び「ポリガラ」酸を含有する外、脂肪油、樹脂、「メチールサリール」酸、纈草酸、葡萄糖とを含有す。主として袪痰藥に使用す。日本藥局法の製品は「セネガ」舎利別とす。圖中(一)、(二)は廓大せる一花を示し。