-- サンザシ Crataegus cuneata 山櫨子(1928) --
庭園に栽培する落葉の小木本なり。幹の高さ5,6尺枝椏繁りて所々に針狀の枝あり。葉は楔形をなして鋸齒を有し、春日新葉と共に單瓣花を簇生す。本花は白色の五瓣花にしてりんごの花に似たり。果實は熟すれば赤色又は黃色を呈し、直徑6,7分に達す。
【觀・藥】觀賞用として庭園に栽植する外、其の果實を魚類に加へて煮れば骨を軟かならしむる効あり尚本植物は左の藥用として應用せらる。
(イ)果實を煎用すれば淋病の濕熱を除き、月經を通じ、小便を利し、諸瘡を治癒す。
(ロ)か實の核を取り去り乾燥したるもの及び其の生葉は魚又は鳥獣の毒を消す妙効あり。
繁殖及び手入 本植物はとりき法により繁殖せしめ、植替は秋季若しくは早春に行ひ、手入れとしては春季發芽前古枝の刈り込みを行ふを可とす。