-- セイヤウニハトコ 西洋接骨木(0391) --

歐洲及び中央亞細亞の隨所に産する落葉灌木叉は喬木にして葉は奇數羽状複葉をなし各葉は卵圓形或は長橢圓形にして縁邊は不整の鋸齒を有す。葉腋より抽出せる花莖は最初五枝に分れ、此各小枝は二枝づゝ對生に分岐し外方の分枝は内方の者より長く延長し、諸分枝殆んど均等の高さに配置せられ尚其小枝は反復叉状に分岐して各先端に白色五瓣に分裂せる合瓣花を着生す。花後生ずる果實は小形にして黒色の核果なり。
【藥】 藥用に供するものは本植物の花にして之れを接骨木花と稱す。其新鮮なるときは白色なれども乾燥すれば黄色に變じ香氣愈々顯著に發生す。其味は粘液性にして微に甘く後稍々苛辣なり。主成分は其本性の未だ詳かならざる少量の揮發油を含有す。藥用としては茶劑として發汗の目的に用ゆる外歐洲にては民間藥とし、叉香料として賞用す。