高山に自生する多年生草本にして莖の高さ五六寸より一尺に達し下部の葉は稍々倒被針形にして長く上部の葉は廣被針形にして細けれども凡て全邊にして對生なり。夏日莖頂に二三の筒状花を開き花色は白色にして稍々黄色を帶び靑色の細點を有し充分に開展せざるの性あり。
【藥】 本植物も亦莖根共に苦味を有し主成分はリンダウ等と同樣なれば健胃劑としてセンブリ等に代用せらるものなり。