-- チャウジ 丁子,丁香(1161) --

往時は亞細亞洲「モルツカ」島及び「フイリツピン」島の南部に培養せるに止りしが現時は亞弗利加の東岸海等にても栽培する常綠木本にして高さ二丈に達す葉は橢圓形にして全邊、先端尖り且つ對生なり。花は淡紅色の花瓣を有し數箇集り生ず。
【藥】 本植物の花蕾を丁香と稱し藥用に供す。本品は褐色を呈し二十%の丁香油を含有す。此の揮發油は主として「オイゲノール」よりなり、尚少量の「テレベン」油を含有す。藥局法に於ては芳香酸、芳香丁幾、芳香阿片酒を製するに用ひ、其の他には芳香性調味藥、粉粧料として賞用するものなり。