大正時代の植物事典 (大植物図鑑 "ニガヨモギ")
一名アルセムと稱し歐洲原産の多年生草本にして本邦にては園圃に栽培せらるる多年生草本なり。莖高さ三四尺に達し葉は二回乃至三回羽状に深裂し絹絲樣の白毛を密生し莖葉共に強き芳香を有す。秋日梢上に穂状をなして比較的大形なる頭状花を多數着生し其の色黄綠色を呈す。
【藥】 本植物は其の葉及び花を取りて乾燥し之を煎出したるものを健胃劑に供す。