-- ナツメ Ziziphus jujuba 棗(1373) --
大正時代の植物事典 (大植物図鑑 "ナツメ")

亞細亞、亞米利加の爇帶及び兩半球温帶産にして本邦にては園養する落葉喬木なり。高さ二丈餘、刺を有せず。葉は平滑なる腎卵形にして純鋸齒を有し、基脚稱々不等三角をなす。夏月淡黄綠色を呈する五瓣の小花を数個づつ葉腋に叢生す。果實は肉質橢圓形にして甘味を有し食すべし。
本屬(Zizyphug)の葉は前屬に反し三乃至五個の大脉を有し葉は二寸以内果實は核果にして翼を有せず。
【藥】 本植物の果實は蒸し乾しとし食すれば解爇強壯劑となり、叉緩下劑とし有効なり。