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-- ニラ Allium tuberosum 韮(2993) --

大正時代の植物事典 (大植物図鑑 "ニラ")

2993.gif

叉コミラ、コニラ、フタモジ等と呼び、亞細亞の原産にして圃中に栽培する多年生草本なり。春日球莖より叢生す。葉は稱々長くして尺許に達し扁平にして柔軟なり。夏日葉間より尺餘の花莖を抽き莖頂に大さ三分許にして六片よりなる白色の小花數十を繖形状に着生す。全體に一種の臭氣を有す。花後蒴果熟すれば自ら開きて小黒子を出す。これ藥用に供する韮子なり。

【食】 夏秋の際適宜に其の葉を刈りて食用に供す。調理法としては味噌汁を以て煮ることあり、或は温煮て胡麻味噌にて和へ、或は生薑を加へて食すされど多食すべきものにあらず。臺灣の土人は好みてこの葉を生食す。

【藥】 根を大根卸にておろし指頭にて丸め砂糖にてくるむか、「オブラート」に包みて二顆程飲下せば如何に激しき下痢も必ず全快す。

常に之れを少量づつ煎用すれば身體を温め且つ衂血及び吐血を止むるの効あり。
にらの雑炊は古來下痢患者に効ありとて稱用せらる。即ち味噌汁に韮を煮こみ、鰹節を入れて粥の如くに飯を炊ぎ食するなり。


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