-- ベラドンナ Atropa bella-donna 別刺墩那(0633) --
大正時代の植物事典 (大植物図鑑 "ベラドンナ")

歐洲及び西部亞細亞原産の多年生草本なり。葉は卵形にして基部は半月形をなし葉柄に沿ふて狭細となり先端は尖鋭、縁邊は平坦にして葉體殆んど毛茸を生じ上面帶褐綠色、下面帶灰綠色を呈す。夏日葉腋より暗紫色の合瓣花を開き花後黒色の漿果を結ぶ。
【藥】 本植物の葉を帶花の季節に採集し乾燥せるものをベラドンナ葉と稱し藥用に供す。味微に苦く主成分は二種の「アルカロイド」、「アトロピン」及び「ヒヨスチミアン」にして醫治効用は莨菪根と同樣外用として眼病に内用としては「ヒステリー」痙攣、癲癇等を治するに用ゆ。尚本品は劇藥に屬するものなれば貯藏に注意すべきものとせらる。