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-- フクジュソウ Adonis ramosa 福壽草・元日草・側金盞花・正月花(2306) --

大正時代の植物事典 (大植物図鑑 "フクジュソウ")

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山地に自生する多生草本なれども叉普通に培養する宿根草本なり。葉は三五裂位の二回羽状複葉をなし各小葉は深裂し其の裂片叉鋭頭なる線状被針形の小部分をなす。早春葉に先ちて黄色花を開く。花瓣は倒被針形をなし、痩果は黒色を呈す。

【觀】 觀賞用として栽培す。本種には園藝品種として變種頗る多きものなり。
一種花莖の上部二三分岐し、各小枝上に一花を開くものありエダウチフクジュソウと稱し、同じく山地に自生す。

【觀】 古來元日草、献歳菊、富士菊、報春花、長春花、側金盞花、雪蓮等の名ありて献歳の一盆栽として觀賞せられ梅花と共に嬌妍優雅なる品種とす。
本植物は深山幽谷殊に富士山中に多く産出すれども變種を生ずる地は武州靑梅或は秩父地方を最も多しとす。

栽培法 移植は春秋雨期を可とし、冬期は北方の塞りたる處にして温暖なる地に植へ其の上に米糠を被い且つ霜除をなすべし。夏季に於ては日蔭軒下等に置くを良とす。肥料は夏季に於ては米泔水に油粕の少量を根廻りに與へ、秋末には小鳥の糞に極めて少量の土を混和し用ふべし。春季花終り葉の長じたる時馬糞の乾燥したるものにて其の上を被ふも宜しく或は蠶の糞を施すも可なれども人糞尿は決して施すべきものにあらず、注意すべし。

【藥】 本植物は單に其の花を賞觀するのみならず其の根を煎用すれば下劑として効多きものとす。


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