-- パンヤンジュ (2625) --

東印度の山地に自生する喬木にして幹高さ七十尺より一百尺餘に達するものあり。本種の幹は上方より多數の氣根を出だし、この氣根は漸次伸長して遂に地中に入り恰も幹の如き觀を呈するを以て一株の植物が終には森林の觀を呈するに至る特徴あり。葉は革質にして卵形或は橢圓形全邊をなし短き葉柄によりて互生す。花は小形にして球をなせる無柄の花托内に隠れ其の形態よくイチジクに似たり。果實は紅熟し大さミザクラの小なると略々同大なり。
【工・食・藥】 本植物の樹脂より「ワニス」を製し、果實及び葉を食用とし、根を強壯藥に用ふる等共に効甚だ多きものとす。