-- バクカクキン (4002) --

禾本科植物殊に裸麥の穂に寄生する菌類にして其の形状恰も松魚節に類し、大なるものは長さ三四分に達し鈍三稜を有し、多くは少しく弧曲し横裂を有す外面は暗紫色を呈し、尚ほ新鮮なるものは彈力性を有し乾燥するときは堅脆となる。之れを粉末となし熱湯を注ぐか叉は「カリ」滷液中に入るゝときは一種不快の臭氣を發生す。
【藥】 露西亞南部、「ガリチエン」、西班牙、「ポルトガル」等より産出するものを藥用に供す。本品の主成分は未だ精密なる査定を得ざれども、本邦局方にも指定せられたる藥品にして、其の主要なる應用としては陣痛を振起するの目的と、内部諸器官の出血を制止するに浸劑として飲用す。