-- マンネンロウ (0720) --

本種はもと歐洲の原産なれども現今は本邦各地に觀賞用として栽培せらるる常綠の小灌木なり。葉は革質にして線状を呈す。春夏の候枝梢葉腋に淡菫色の極めて愛らしき小花を開く。
【藥】 本植物は迷迭香と稱し藥用に供し其の目的によりて多く伊國及び佛國等にて盛に培養す。藥用に供するものは本植物の葉部にして之れを水と共に蒸餾する時は一種の揮發油を得之れ即ち迷迭香油なり。主成分は揮發油にして其の他に樟腦及び龍腦を含有す。
本植物は蒸餾劑として唯外用にのみ供せられ、揮發油は疥癬に應用せらることあり。圖版(一)は全花(二)は一花の横斷面を示したるものなり。