山野に自生多き落葉喬木にして高さ二三丈より五六丈に達す。葉は廣卵形或は倒卵形叉は橢圓形にして先端尖り其の面滑澤裏面帶白色にして縁邊波状を呈し長き葉柄によりて互生す。初夏枝梢上に傘房形をなして小白花を簇生す。此の花は前種の如く四瓣花にして暗色の總苞を有し花後球形の小核果を結び紫赤色を呈す。
【園】 庭園の植込みに栽植し風致を添ふ。
木材は小器具を作り或は薪炭の料に供す。