-- ミツバゼリ 三葉芹、鴨兒芹(1042) --

普通單にミツバと稱す。山林、陰澤の地等に自生するものあれども多く菜園に培養せらるゝ蔬菜なり。莖葉共に滑澤にして一種の香氣あり葉は三個の小葉よりなり細鋸齒を有す。夏日白色(稀に淡紅色)の小花を複繖形花序に排列す。
一種ウシミツバと稱するものあり莖葉共に大形にして質硬く食用に適せず。
【食】 葉及び新苗を採り食用に供す。一種の佳香を有し風味佳なり。多く羹に加へ或は魚膾に添ふべく、叉根を油煞とし食す。生にて酢味噌を付け食すれば酒熱を去ると云ふ。叉飯に交ふるも風味よく或は白き部分のみを適宜に切り味噌のたれに漬け置き後に至り食するも可なり。