-- モクコク 厚皮香(1307) --
大正時代の植物事典 (大植物図鑑 "モクコク")
暖國に自生する常綠の亞喬木なれども時に園養せらるることあり。高さ二丈餘に達し葉は長橢圓形状倒卵形全邊にして其の質厚く滑にして光澤を有す。七月頃葉腋上に黄白色五瓣の長梗花を開き、花後三四分許の球果を結び紅子を露出す。
【觀・工】 本植物は多く庭園に栽植し觀賞す。叉木材?堅硬緻密にして割れ難きを以て櫛、文房具、床柱等に重用し或は挽物細工の材料に供する外伊豆諸島にては綿布を染むるに多く本樹皮を使用すと。