一名コメザクラ、カバザクラ、チヤウジザクラ、タニノゾキとも稱し、山地に自生する落葉喬木にして、幹高さ二十尺餘に達す。葉は互生にして長倒卵形、先端尖り鋸齒を有し葉柄を具ふ。花は小形にして花瓣より長き有毛の蕚は筒状花托を具へ、花瓣はサクラに似たれども稍々小形なり。
【工、觀】 木材を器具の材料に供し、樹皮を煙草入に貼付し、或は曲物を縫ふに用ふ。叉觀賞用としても栽培せらる。