A 50音 ア行
A 50音 カ行
A 50音 サ行
A 50音 タ行
A 50音 ナ行
A 50音 ハ行
A 50音 マ行
A 50音 ヤ行
A 50音 ラ行
A 50音 ワ行
C 大植物図鑑 刺花
C 大植物図鑑 学校園
C 大植物図鑑 工業
C 大植物図鑑 有毒
C 大植物図鑑 染料
C 大植物図鑑 牧草
C 大植物図鑑 生垣
C 大植物図鑑 盆栽
C 大植物図鑑 薬用
C 大植物図鑑 観賞
C 大植物図鑑 食用
C 大植物図鑑 香原料
-- モモ Amygdalus persica 桃(1829)* --

大正時代の植物事典 (大植物図鑑 "モモ")

1829.gif

觀賞用叉は果實用として、廣く各地に栽培せらるる落葉樹にして、高さ丈餘に達す。葉は被針形にして長さ四五寸に達す。四月初句葉に先て桃色即淡紅色の花を開く。單瓣のものは其の花冠五瓣より成れども、重瓣種尠からず。叉其の色も時に白色叉は濃紅色のものを見ることあり。果實は外面に毛を有する核果にして、熟すれば紅色を帶ぶ。

【觀・食】 本植物は觀實用として庭園に栽植し、花後果實を採りて食用に供す。本果實は味甘酸にして生食に宜く、叉煮て食ふべく、或は盬に漬けて食ふべく、糖臓して貯ふべく、叉乾製して食用に供すべし。殊に酸味強き種類は砂糖煮として用ふるを宜とす。其の他嫩葉はよく煠でさして救荒時の食糧に供すべし。

本植物には其の種類甚だ多く、其の栽培法も手入れを要すること多きものなれば、左に少しく記述す。本邦在来種のみにても其の種類頗る多く、就中重なるものを列記すべし。

(イ)ゲンペイモモ(二色桃) 觀賞用植物に屬し、一花中紅白瓣相交り、叉は同樹に紅白花を開くものにして、單瓣叉は重瓣なるものあり。

(ロ)シダレモモ(軟條桃) 枝の下垂する種類にして單瓣、重瓣、花色に紅白等に數種あり。觀賞に適す。

(ハ)イッサイモモ(一歳桃) 種子を下したる年に花を開き、二年目より果實を結ぶ種類にして、土佐、紀伊等に産し、枝梢叢生し喬木となることなし。

(ニ)サモモ(五月早桃) 果實早熟種とす。一名ナツモモ叉はサツキモモとも云ふ。

(ホ)シロモモ(銀桃) 一名リンゴモモ、叉ワセモモ、ナツモモの稱あり。果實は最初綠色を呈し熟すれば白色となる。花は大形にして白瓣を有し、蕚片は綠色を呈す。

(ヘ)ゲンジグルマ(菊桃) 樹高さ丈餘に達し、花瓣狹細にして一二三瓣並びたる様單瓣の菊花に似たり。初め淺紅色を呈し、後白色紅心となり、普通の種類より遲れて開花す。

(ト)ケモモ(毛桃) 花大形にして色淺く、果實大にして杏の如く外皮に毛茸を有する種類なり。

(チ)ヒトウ(緋桃) 花色深紅色を呈し、單瓣、重瓣のものあり觀賞に適す。

(リ)フユモモ(冬桃崑崙桃) 一にカンモモと云ひ、十一月頃成熟し肉色赤き種類とす。

(ヌ)キクモモ 花瓣幅廣くして先端尖り、重瓣にして菊花の如く、花色淺紅色を呈す。

(ル)ハハキモモ 軒高さ一尺丈許にして果實あり。花小に、重瓣にして紅白相交りにはウメの如し。本種は枝梢多く繁出し、掃箒の如し。

以上は本邦産の重なるものなれども、何れも果實採集用としては佳良ならず。現今専ら採果種として栽培せらるるは大抵西洋品種とす。以下採果用桃樹の栽培法につき記述すべし。

桃の栽培法

桃は梨と異なり保存すること能はず。栽培の反別の多きときは、已むなく捨て賣りをなすの不利益あるものなれば、販路の情況を顧みて、早中晩の桃種を適當に配置して、一時に成熟せざる様になさば、其の利益の多きこと決して梨に譲らざるべし。

(一)風土 桃は葡萄と同じく、暖地に於て能く生育するものなれば、北海道等の如き寒冷なる地方にては、好結果を見ること能はざるものとす。土質は輕鬚の地、例へば細砂より組織され其れに石灰分の混在する土地をも最も適當とす。本邦にて桃の産地として有名なるは、大阪の天王寺、相州の大磯近傍遠江の濱松近傍とす。即ち此の地方は細砂よりできたる輕鬚土たるによるなり。若し土地にして濕氣多く或は泥土、有機物等を多く含み叉は粘質性なる時は、枝葉のみ徒長して結果せざるものなり。適々結果すと雖も、その果實は護謨質多くして品質良しからず。彼の地濕氣ある壌土地に栽植せるものには樹幹、果實等に俗に桃のやにの附着し遂には食糧に堪えざるものあり。叉土地の上層極めて淺く且つ岩石のみにて、根深く土中に入ること能はざるが如き地質にては、果肉の發育不十分なれば、良き結果を得ず。

(二)種類 品種を選定せんとするには先ず其の地方の交通如何を考へて選定せざるべからず。若し交通不便にて輸送に時を要し、或は輸送手續困難にて時間を要するが如き所は永き輸送時間に耐へ得る種類を選ぶこと肝要なり。交通の便良き地方にては、貯藏に耐ふることより品質に重きを置き選定するを利益とす。現今栽植して宜しきを認め居る種類は早熟種(六月下旬より八月上旬までに熟するもの)天津水蜜桃、「アムスデンジューン」、「ブリックスメー」、「ニューボート」等にて、八月中旬より十月上旬迄に熟する晩熟種としては、上海水蜜桃、「アドミラーブル」、蟠桃、「アレキサンダー」、「アーリー、リヴァース」、「アーリー、クラホールド」、「アーリー、ニューウキングトン」、「トライアンフ」等とす。

(三)栽植 中幹仕立と長幹仕立とあれど、桃は梨、萃果の如く、長幹仕立にするは宜しからず。其の幹身は高さ二尺乃至三尺の中幹となし、之れより椏幹を發生せしむ。其の樹姿には種々あれども、最も結果多くして有利なるは盃状の樹姿に仕立つるを可とす。即ち二間の畦幅に二間半の株間に植え、若し丘側などの傾斜せる土地にて乾燥する所ならば、一間半の畦幅にて二間に植えるも可とす。之れを植える時節は、二月の初め其の植えんとする場所に穴を掘り、其の中へ堆肥と骨粉とを混和したるものを入れ、土を少しく覆ひ置き、三月上旬頃に植え込むべきものなれども、時としては十月より十一月に植え込むことあり。氣候の暖かなる地方にては秋季行ふも可なれども冬中雪あり、叉は霜柱の立つ地方にては春を選ぶを安全とす。

(四)肥料 肥料の種類及び分量等は、梨の肥料及び分量と大同小異なる故其の儘適用するを可とす。

(五)中耕 叉梨と等し。

(六)仕立方 梨の仕立方は種々の様式あれども、其の内にて最も實用的なるは、樹姿を盃状にする盃状仕立と、墻籬形にする墻籬仕立の二種を最も宜しとす。

甲盃状仕立 樹姿を盃状となすには、植えたる最初の年に地上より一尺五寸位に切り二枝若しくは三枝を發せしめ之を二方、若しくは三方に擴げ、中央の空虚になる様添木をなして誘引し置き、翌年即ち二年目の春之を大約一尺乃至一尺五寸の長さに剪定し、毎枝に三芽を發生せしめ、中央空虚になりて樹の姿勢の自然に盃状と成る如く誘引し、三年目の春に叉一尺五寸に剪定し、側枝は一尺に剪定す。次年より此の姿を年々維持し行く考へをもて、春日剪姿を行ひ、叉枝梢の徒長するものあらば、七月頃摘斷法を施し、 綠枝の伸びたるを折傷し、叉は摘斷して果枝の數を増加する如くすべし。盃状仕立によりたるものは四五年を経るときは其後は毎年春季發芽前と、夏季とに各一回徒長せる枝梢を剪定し、摘斷すれば充分なり。春の剪定は主枝の錯雑せるもの叉は勢力の不釣合のものを剪除し、其の樹の姿勢を正しくし、或は果枝を短縮する等の作業とす。之れを剪定する程度は、直立枝は二分の一、斜行枝は三分の二、水平枝は四分の三を分岐點より殘して剪除するものとす。巳に充分の成長に達し、樹の姿勢の整いたるときは、それよりは只毎年其の形状を錯雑せざる様にし、叉果實を摘採せる後、翌年の果枝に乏しき時は直ちに姿勢の盛んなるもの、或は矮小なるものなどを剪定して、果枝の發生を促す手段を施す。

乙墻籬仕立 此の仕立方の剪定は注意を要する上に熟練を要するものにして、其の目的は植えたる桃を健全に保ち、且つ結果を完全ならしむるにあり。先ず春に定植したる後地上一尺の所より切斷し、前面に存する一芽を伸し、幹として成長させ、其の直下より生ずる二芽を伸ばして第一段となし其れより下の方より出たる芽は悉く摘出し、第二年目に至り第二段目を作るべきなれど、若し其の下部の段より、毎年一段づつ(一尺五寸の距離)を作るなり。一年に二段を作るは例外の時のみ之れを行ふものとす。

「カンデラーブル」仕立 墻籬仕立の一種に、「カンデラーブル」即ちU字形の仕立方あり、本法は先ず發芽前に移植したる苗木を地上一尺の處にて切斷して二芽を發生せしめ、其の成長するに従ひて、分岐點より左右へ各一尺程水平に誘引し、其の處より直立せしめU字形に誘引し、第一年の秋に一尺の所にて切斷し、第二年、第三年、第四年、第五年と五尺の長さにして伸長を止め、完全なるU字形仕立となし了るものなり。斯様にU字形になすには枝梢軟かにして、所謂嫩芽時代の本質に變ぜざる時に偃曲して誘引するものとす。本法は其の高さによりて成就の年限を異にするものなれども、高さは大抵五六尺位を以て程度とし、これにて高さを止むる場合は、毎年一尺づつ枝身を伸ばし、五年乃至六年にして成就するも妨げなしとす。

結果枝の間隙は五寸より六寸定度とす。若し之れよりも密生する時は、其の枝の伸長せざる内に除去するを良しとす。叉傍枝の結果枝は最初は一枝にても其の勢力の強き時は忽ち徒長するを以て夏季中に其の末端を摘斷して五寸の長さとなし、之れに果を結ばしめ、而して其の主枝に接する部より生じたる所の一枝を存して、之れを翌年結果の豫備枝とし、其の前年に生じたる枝は、果實を結ばせし後は剪除するものなり。叉主枝の勢力旺盛なる時は、果枝は常に二枝を發生せしむるを良しとす。然して之れの二枝中一つは長さ五寸、一つは二三寸に剪定し、其の短き方をば豫備枝を作るの材料とし、其の長き方は、實を結ばしむる枝となす。?後毎年同一の順序にて枝を整理するなり。

(七)核果樹と仁果樹の剪定の異なる所 桃の枝は元来核果を結ぶものなる故葉腋に葉芽叉は花芽の存するものにて、往々之れを併存することあり。之れ仁果、即ち梨、 萃果等とは、其の性質を異にするものなれば、仁果に比して長梢に剪定する必要あり。獨り桃のみならず核果樹は一般に長梢に剪定するを法則となし居るは即ち此の所以なり。

(八)結果枝の撰び方 果枝は大き過ぎず小さ過ぎず中庸を得て、節の間短く、其の芽の膨るるものは良好なる果を結ぶものなれは、常に斯様なる果枝を撰ぶを必要とす。

(九)結果枝を生ぜしむる位置 主枝より結果枝を生ぜしめんには、直立せる枝なるときは、其の左右に生ずる芽を存し、決して前面に存する芽を出さぬ様するを良とす。斜行枝、並行枝の如きも亦皆之れに準するものなり。

(一〇)豫備枝 熟練したる果樹栽培家は、花散りてて後結びたる實の様子を見、直に綠枝剪定を行ひて果枝を短縮し、或は豫備枝を養成することに注意すべし。此の仕事は最も肝要なることにて能く心を留めて、精々其の得失を考へ、然る後に手を下し、同時に結果せぬ枝ある時は之れに凡ん五六葉を存して摘み切り、豫備枝の良好なるを得る事に勉むべし。叉之れを籬材に絡纒し勢力を制する怠るべからず。若し此れを怠らば、枝梢徒長し、従って結果充分ならず。叉果を結びたる枝に生ずる傍枝は一二寸の所にて切斷し、専ら果實のみに養分を輸送することに勉めざる可らず。

左圖に示したる(ニ)なる主枝より、(イ)なる果枝を生じたる場合に、其の最下部に於て(ロ)なる芽ありても其の發芽覚束なきときは先づ之れに一つの手術をなし發芽を促すべし。其の手術と云ふは即ち(ハ)に示す如く、(ロ)等の上部に小刀を以て傷痕を附くるなり而して其の(ホ)、(ホ)、(ホ)は枝芽にて(ヘ)、(ヘ)、(ヘ)は花芽にて傷痕の下部なる(ロ)より出したる良芽は豫備枝となるものなり。此の法は?々之れを施すべき必要の場合あり。能く其の機を見て旋術するを宜しとす。

(一一)摘斷法 此の法は鋏刀と用ひず指頭にて嫩芽の端末し摘斷する法にして、桃樹の剪定中最も注意すべき法なり?のに夏季成長期中。枝梢の徒長したるものを抑へて中庸を得せしめ、叉は矮弱なるものに勢力を興へ、或は枝芽をして、花芽變ぜしむるは此の法の注意如何によるものなり。桃樹栽培上殊に墻籬仕立には極く必要の仕事とす摘斷法は一般に徒長せる枝に行ふ法にして、上圖(甲)の如き枝あるとし、此の枝若し勢力盛にして、徒長せんとするの憂あるときは、其の(イ)部より指頭にて其の端末を摘除せば、乙に示す(ロ)、(ロ)の二枝を生ず。此れに枝尚勢力強くして徒長する様ならば、叉五六葉目の(ロ)、(ロ)より摘斷するを可とす。

叉(丙)圖及び(丁)圖は中等の勢力ある枝なれども巳に豫定の距離面積に達したる時は、大略十葉位を附け其の餘を摘斷す。之れを普通の摘斷法といふ。若し叉摘斷してより生ずる枝の俄かに伸る如き場合は(丁)圖に示す如く更に摘斷を行を可とす。而して秋に剪定をなすには(イ)、(ロ)の枝を除き(ニ)、(ハ)の枝を四五葉存して切斷し、之れを籬材に纒絡して果枝となすなり。叉翌年に至り(ニ)、(ハ)枝の下部より豫備枝を發生せしめ、前年の如く取り扱ふものとす。然るに摘斷に注意せぬ時は、(戌)圖に示す如き、主枝に接近なす部に於て芽を存せず、遙かに長じて、(ロ)に至りて芽を存するのみならず、尚數寸の長さに至るまで、枝葉、花芽共に有せざる枝となるべし。斯くの如き現象は徒長を抑制せざる枝に於いて常に見る所なり。故に若し(戌)圖は枝の良き位置に芽を生じたる果枝を示したるものにて(イ)芽は良好の豫備枝を得るに適せるものとす。是れ摘斷宜しきを得て桃樹全體の勢力を均一に維持したる結果にて、摘斷法の効能茲にあるなり。

(一二)熟枝剪定 果樹の成長の休止中に行ふものにて(一)枯枝剪除し、或は蘇苔、其の他の寄生植物を除き、(二)不整の枝梢、不整の位置に發生せる枝梢を早く剪定し、樹液を必要部へ轉送なし、(三)豫定の高さに果樹を養成せしむるため、枝梢の頂端を剪り縮め、(四)前年に發生したる枝梢をば、一芽の上部より剪定し、(五)主枝或は哀弱せる枝梢をして、勢力を付けんが為めに數年経たる古枝を剪り、(六)果枝を生ぜざるに至りたるとき主枝に數個の陰芽を存し置き、幹身に接する部分より切り縮め、主枝をして奮枝?新枝とを入れ替ふる如くし、(七)豫定の位置に主枝を誘導して、之れを支材に結びつくるものにして、之れ壁、籬等の面へ誘引せんとせる果樹に向ひて行ふべき方法にして、夏、冬共に施す所の術なり、(八)果枝を壁面、籬等に纒はせん事にして、特に桃、葡萄等に施すべきものにして、其の壁面に纒絡させんには、右圖に示す如く、布片を以ち釘にて打ちつくるものなれども若し籬面鐡線叉は木製の支柱にてもあらば、縄にて結びつくるものなり、(九)強壮なる枝梢に樹液の循環を抑制せんが為めに施す方法にして、全部を折傷し、或は一部を折傷するの二法あり。冬季剪定の節は伸び過ぎたる枝梢を折傷し、秋季剪定の時は夏季摘斷を施さざりし枝梢に行ひ、一部の折傷は上圖に示す如くに其の折傷したる下部には必ず四個乃至五個の芽を存する必要あり。叉全部の折傷は先づ枝梢の一部に小刀にて傷痕をつけ、然る後に折傷するなり。一部折傷せる部を存し置き、勢力強き枝梢に花芽を生ぜしむるの目的にて施すものなり、(一〇)剪定を施すに當りて不用なる冬芽を剪除す。即ち上圖の如く(ハ)部の芽を除去するものなり。

(十四)採收 桃の果皮鮮明となり香氣を發し、果肉柔かとなりたる時に採收するものなり。若し遠方へ輸送せんと思はば、少しく完熟に先立ちて摘採するを可とす。

(一五)用途 桃の使用途は色々あれども、先づ小供の間食、大人の食後に於ける生食用、叉糖藏となして之れを鐡葉箱内に貯藏し、菓子の代用にする等は其の主なる用途なり。糖藏用に供する桃は赤肉種を用ふるときは臭氣付きて宜しからず。されども白肉種若しくは黄肉種を用ふるときは、臭氣なく良品を得るものなり。米國にては糖藏の製造甚だ盛んにして其の製品は諸國に輸出し、其の需用に應ぜり。叉肉の充實せるものは「グラッセー」或は「コンフィット」なる菓子の製造に用ひ、叉は之れを乾燥して貯藏することもあり。叉佛國及び米國にては桃果を破砕して其の液を醱酵せしめ、之れを蒸留して、一種の香味ある酒精を製造するものあり。

桃の盆栽培養法

桃を鉢へ移植すべき時季は接木後の秋季に之れを瓦鉢に移植し、其の鉢を土中に埋め置き、其の根廻りに肥料を施すべし。肥料は過燐酸、動物肥料、骨粉、油粕干鰯等を施し、尚叉時々人糞尿等の稀薄なる水肥を灌くべし。其の結實期に達したる時は之れを本鉢に移植して觀賞に供するものなり。

桃の培養上殊に注意を要すべきは前枝と樹脂を阻渇するにあり。桃は其の發育の力旺盛なるを以て、其の果實は新枝にのみ結ぶものにして、一度結實したる枝には再び結實せざるものなれば、其の樹枝の生長するに従ひ、其の花枝は自然先端に生じ、往々外氣の感觸を受け、害を蒙ること甚だしきのみならず、其の先端にのみ果實を箸けしむるは頗る外觀の美を損ずるものなれば、之れを防がんとするには、必ず剪枝を行はさる可らず。而して其の剪枝を行ふに就ては本幹に接したる芽に近づきて剪り込むべし。剪枝の時期は春季芽の将に發育せんとする時を最も宜しとす。桃は其の樹脂の?積よりして其の萌芽を傷ひ、遂に枯死することあれば、大に注意せざる可ならず。總べて樹脂は其の成分の逆變より生ずるものなれば、樹脂の停滞を防がんとするには、樹皮を縦に利刀を以て根部に至るまで割くべし。桃は其の生長迅速なるものにして且つ結實も多きものなれば、常に剪枝を行ひ、新枝を養護せざれば盆栽として觀賞の價値あらざるものなり。


江戸時代の植物事典 (長野電波技術研究所附属図書館 蔵書)

書籍名
掲載巻 : Link to Library
掲載箇所 : Link to Index

大和本草
17
倭名類聚抄
17
箋注倭名類聚抄
9
果?
倭名類聚抄
17
菓具
箋注倭名類聚抄
果?具
 
倭名類聚抄
菓具
 
箋注倭名類聚抄
果?具
 
和漢三才図会
86
5果
地錦抄
3
 
倭名類聚抄
17
箋注倭名類聚抄
9
果?
倭名類聚抄
17
箋注倭名類聚抄
9
果?
和漢三才図会
86
5果
草木六部耕種法
19
需實
大和本草
10
果木
日本書紀
22
推古



江戸時代の植物事典 (古事類苑 "桃名稱")

書籍名
掲載巻 : Link to Library
掲載箇所 : Link to Index

大和本草
17
倭名類聚抄
17
箋注倭名類聚抄
9
果?
書言字考節用集
6
生植
倭訓栞
前編33
萬葉集
7
譬喩歌
拾遺和歌集
7
物名
鹽尻
54
 
倭名類聚抄
17
菓具
箋注倭名類聚抄
果?具
 
採藥録
5
 
倭名類聚抄
菓具
 
箋注倭名類聚抄
果?具
 
和漢三才図会
86
5果



江戸時代の植物事典 (古事類苑 "桃種類")

書籍名
掲載巻 : Link to Library
掲載箇所 : Link to Index

倭訓栞
前編33
地錦抄
3
 
花壇綱目
 
谷響集
2
 
本草綱目啓蒙
>重修21
5果
倭名類聚抄
17
箋注倭名類聚抄
9
果?
新撰字鏡
 
倭名類聚抄
17
箋注倭名類聚抄
9
果?
書言字考節用集
6
生植
和漢三才図会
86
5果



江戸時代の植物事典 (古事類苑 "桃栽培")

書籍名
掲載巻 : Link to Library
掲載箇所 : Link to Index

草木六部耕種法
19
需實



江戸時代の植物事典 (古事類苑 "桃名所")

書籍名
掲載巻 : Link to Library
掲載箇所 : Link to Index

大和本草
10
果木
武江産物志
遊觀
 
一話一言
16
 



江戸時代の植物事典 (古事類苑 "桃雑載")

書籍名
掲載巻 : Link to Library
掲載箇所 : Link to Index

古事記
 
日本書紀
22
推古
慶長日件録
 
 
半日閑話
5
 
增訂豆州志稿
7
土産


お問い合わせ
ギンジョー薬草ハーブ日和
植物図鑑
1779 記事
  •  江戸時代の本で
  •  植物図鑑を作っています。
  •  所蔵している書籍は,
  •  複写に対応できます。
本草綱目
本草綱目
李時珍 著
花譜
花譜
1694 貝原益軒 著
農業全書
農業全書
1697 宮崎安貞 著
広益本草大成 / 和語本草綱目
広益本草大成
1698 岡本一抱 著
菜譜
菜譜
1704 貝原益軒 著
用薬須知
用薬須知
1712 松岡恕庵 著
大和本草
大和本草
1708 貝原益軒 著
和漢三才図会
和漢三才図会
1712 寺島良安 著
草木育種
草木育種
1818 岩崎灌園 著
遠西医方名物考
遠西医方名物考
1822 宇田川玄真
日本山海名産図会
日本山海名産図会
1830 蔀関月 著
四季漬物塩嘉言
四季漬物塩嘉言
1836 小田原屋
古方薬品考
古方薬品考
1841 内藤尚賢 著
草木六部耕種法
草木六部耕種法
1874 佐藤信淵 著
神農本草経
神農本草経
当研究所所蔵の神
薬徴
薬徴
吉益東洞著,江戸
薬徴
凶荒図録
1885 小田切春江
古事類苑(植物)
古事類苑
明治時代に和装本
大植物図鑑
大植物図鑑
牧野富太郎のライ