關東地方に於ては京菜、京都地方に於ては水田に栽培するを以て水菜と云ひ、アブラナの一変種とす。
本種は他の漬菜類と異なり一根より數十百葉を叢生し、葉細くして缼刻深く、葉柄長さ尺餘全體滑澤なり。鹽漬となすが普通なるも、或は煮叉は浸し物ともなす。左の二品種は何れも本種より出でたる栽培變種とす。
ミブナ(壬生菜)京菜には普通缼刻あるも、此の種は葉面擴くして缼刻なし。山城國葛野郡壬生村の産にして味は京菜に優れり。