叉單にツケナと稱す。他の種も漬けて食用とすれど最も多く用ひらるるを以て此の名あり。武藏國北豊島郡三河島町の産を最良とす。葉は形状濶大にして長さ一尺五寸に達し、葉身は細長く色淡綠なり。本種は山東菜、白菜等に比すれば纎維多く味美ならざるも此の二菜の傅來せざる以前にありては東京附近に多く栽培せられ、頗る賞美せられたるものなり。秋冬の頃漬物として重要す。叉花蕾は葉と共に食とすべく、或は挿花とし一種の雅致を有するものとす。