-- ミョウガ 襲荷・茗荷(2860) --
大正時代の植物事典 (大植物図鑑 "ミョウガ")
叉メガとも云ひ紀州にてはオコナと呼ぶ。山谷、竹林等の如き陰地に自生する宿根草本にして叉家園に栽植せらる。全形よく生薑に似たり。春日宿根より嫩苗を生し形筍に似たるを以てミョウガ筍と稱し、漸次生長して高さ二三尺に達す。莖は地下に根莖をなせども生薑の如く肥大ならず圓柱形をなす。葉は橢圓被針形にして綠色を呈す。花は直ちに地中より生し形筍に似たる穂状に排列し、雄花は短き花絲と平行せる葯胞と長く延長せる葯隔とを有し子房は三室よりなる。本花をミョウガ子と稱し食用に供す。