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-- マツタケ 松蕈・松茸(3924) --
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赤松の林中殊に落葉土を掩ひために濕潤なる場所に生ずる菌類にして傘は通常徑四五寸表面は灰褐乃至淡黒褐色にして纎維状の鱗をなす。傘の未だ開かざる間は明瞭なる纎維質の膜にて被はるれども開展したる後は周邊に總の如くに殘存す。菌褶は白色にして莖は直生し稍々彎生の觀を呈す。莖は通常短けれども傘の徑と相等しきを常とす。肉は白質、胞子は球形をなす。

【食】 一種特別の芳香と風味とを有するを以て菌類中の絶品として稱賛せらる。或は煮て食ひ、或は焼きて食し、或は吸物、茶碗蒸となし、或は鹽漬、砂糖漬、火酒漬、罐詰として貯へ、或は陰乾、煮干乾として保存する等用途甚だ多きものなり。調理二三を列記すべし。

(イ)煎り松蕈 松蕈を細くさきて鍋に入れ煎れば松蕈より水の出づるものなるが、其の水の無くなる迄煎りたる後醬油をさし生薑をおろし込むなり。

(ロ)土瓶蒸 松蕈をよく洗ひそのまゝ土瓶に入れ火鉢にかけ置けば水出でゝ其の湯氣にて自然によく蒸されたるものを指にてさき、摺り生薑を入れたる醬油をつけて食するなり。

(ハ)焼松蕈 松蕈をよく洗ひ濡紙にて二重に包み、細かき炭火叉は熱灰の中に埋めおけば暫時にして蒸焼となる。後これを裂きて摺り生薑を入れたる醬油をつけて食す。但し酢を混ずるもよし。

(ニ)三杯酢 松茸を焼きて短冊形に切り、之れに柚子の酢と砂糖と鹽の三杯酢をかけて用ふるなり。

(ホ)松茸飯 松茸を長さ一寸幅二分程の薄き短冊形に切り、之れを飯の煮立つ前に釜の中に入れて焚き込むなり。
叉一種の方法は松茸を別に味をつけ少し汁のある位に煮、飯は普通の白飯に焚き其の飯を釜より櫃に移すときにかき混ずるも可なり。

(ヘ)松茸と豆腐の淸汁 松茸を竪に薄く切り、豆腐もよき程に切り共に之れを淸汁に入れて煮るなり。但し椀につけて淺草海苔を少し揉み込み吸口には柚子を用ふ。

(ト)松茸の揚物 松茸をよく洗ひ傘と共に適當に切り一切づゝ「メリケン」粉の衣をつけ普通の揚物の如くにあげ、柚子醬油をかけて食す。

(チ)松蕈の佃煮 石づきの處を去り皮をむきて鹽水の中に浸け鍋に入れ、醤油を加へ蕃椒粉を少しふり込み暫く煮て鍋をおろし他の器に移すなり。

(リ)松茸のからし漬 傘の開かざるものを選び鹽水にて煠でゝよくさまし、其の鹽水にて芥子粉をこね、之れに漬け置くこと兩三日にして松茸を取り出し其の芥子粉に麴と醬油とを加へ、よくこね合せて更に漬け込み密閉して貯へ置けば來春の食用ともなるなり。

松茸は本邦各地に産すれども古來最も著名なるは山城とし、稲荷山の産殊に有名なり。之れに次ぐを丹波、攝津、紀伊、伊勢、三河とすれど、近時は信濃にても多量に産出し東京へ輸送する額反て京都地方を凌駕せんとする状況なり。

元來松茸は黒松多き土地には産額少く、赤松多き土地に多く産するものなれば、京都地方に多産し、東國に少き所以なり。關西にては丹波より出づるもの最も早けれども味劣り傘の色黒色を帶ぶ。京都の深草稲荷山、栗田産は甚大にして香味優り、傘厚く白色にして堅く上等品とす。


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