-- マクリ 一名カイニンサウ 鷓鴣菜(4130) --
我國にては九州南部の沿岸一二尋より五六尋の海底にある岩石に生ずる藻類なり。體は堅靭なる圓柱状をなし複叉状若くは不規則なる分岐をなし各枝の全部は無數の細短なる小枝を以て被はれ其の形状狐の尾に似たり。全長三四寸乃至六七寸に達し黒紫色にして乾燥すれば稍々褐色に變ず。此の藻類には通常一種のサンゴ藻着生し乾燥後白色の細條を呈す。
【藥】 海藻の内にて直接藥用に供するものは唯々本品あるのみとす。嬰兒の胎毒下しと稱し甘草を加へて服用せしむれど其の効果は未だ不明なり。