-- ミツイシコンブ (4210) --
叉トカチコンブ、ナガコンブ、ダシコンブ等の稱あり。北海道沿岸水深數尋の海中に多く産す。殊に三石郡沿岸に夥しく産し且つ品位の佳良なるを以て聲價第一たり。體は根莖葉の區別なく其の根樣の基部は單に岩石に附着するの用をなすのみなり。葉状の部は狭長にして黒褐色を帶び幅四五寸長さ四五尺に達し縁邊多少波状を呈す。夏月其の葉状部面の一方を限り且つ左右の縁邊に局在して暗褐色の斑點を生ず。是れ即ち數多の棍棒状遊走子嚢の叢生するものにして秋末頃成熟す。該嚢中には數多の小球即ち遊走子ありて各二箇の細毛を具へ成熟すれば嚢を破りて海中に出で遊走して適當なる場所に附着し發芽するものなり。
産額は昆布類中の首位に居り、且つ支那に輸出せらるゝものは此の種を主とす。其の製品及び製造法等はコンブの記述中に就きて知るべし。