山地に生ずる大形の蔓性灌木にして葉は極めて大形をなし一尺以上に達するものあり。形心臓状圓形にして淺く三五裂し不等の齒牙を有し上面は平滑なれども下面は綠樣毛を密生して褐色を呈す。七月頃圓錐花叢をなして黄綠色の小花を開き、花後黒色の漿果を結ぶ。
【觀】 果實を食用に供し叉葡萄酒を釀す原料とす。本植物は秋日紅葉し美觀を呈するものなり。
【藥】 山葡萄の果は生食すれば補血強壯劑となる。