-- ユサゥボク 癒瘡木(1563) --

西印度及び中央亞米利加に産出する常綠喬木にして高さ三四丈に達し、肉叉状に分岐せる大枝と、肥厚結節ある緑色の稚枝を有す。葉は翼葉にして各葉毛茸なく二乃至三對を有す。花は整齊にして長梗を有し、傘状をなして分枝の頂上に着生す。本花は淡綠色を呈し靑色の數條を有す。
【藥】 本植物の木質部を癒瘡木と稱し藥用に供す。其の質甚だ重く均等緻密の紋理を有し、割斷し難きを以て特徴とす。市中にては細切し販賣す。
本品は癒瘡木脂二十%以上を含有すれども、膚木は其の含量三%に過ぎず。
主として驅梅劑として重用す。藥局法にては癒瘡木丁幾を製するに用ひ、叉癒瘡木脂を製する原料に供すれども、歐洲にては工匠の目的にも賞用す。