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実験用のバケツの水田に、ミジンコが住んでいます。バケツの水田は冬の間には、
氷が張ったり、雪も積もります。また、近くの神社にある、石の手洗い用の水槽にも
ミジンコが住んでいます。小鳥が水を飲むときに、ミジンコの卵がバケツの水田や
手洗い用の水槽に落ちて繁殖しているものと思っていましたが、実際には分かりません。
バケツの水槽には、10年ほど前から土が入っていて、水が減ると水道水を足していますが
肥料を与えたことはありません。この水槽には、種類の違うミジンコとボウフラと
青いカエルが2、3匹住んでいます。また、神社の手洗い用の水槽は、
水がなくなると、やはり水道水を入れているそうですが、きれいな水ではありません。
ミジンコはエビやカニなどと同じ甲殻類で、体は透明な殻で覆われていて、心臓が
動いている様子が透けて見ることができます。1㎜とか2㎜の体の中に、眼や心臓や
腸や子どもを生んで育てる機能が見えます。無駄がない構造を人間と比較してしまいます。
ミジンコの本を読んで見たら、田植えが終わって、水が張られた水田は、ミジンコには、
最良の環境とのことです。ミジンコは最良の環境では、メスだけで卵を産む、
単為生殖で増えるそうです。単為生殖で生まれた卵を単性卵と呼び、卵を産んだ後、
背中にある育房の中に入れて育てるそうです。一人前に育つと育房から出てきます。
育った子供は、ほとんどがメスで、メスがまた、メスを産み、数が増えていきます。
また、稲刈りのシーズンになり、水田の水が抜かれ土が乾燥すると、ミジンコにとって
最悪の環境になり、悪条件になると、オスのミジンコが現れてオスとメスで、
有性生殖を行い、耐久卵という特別な卵を生むそうです。耐久卵は、
育房の中で育てられることはなく、卵のまま、土の中に産み落とされます。
耐久卵は、丈夫なシェルターの中に入っていて、乾燥した土の中でも生き続けます。
その後、ミジンコにとって環境が良くなる、翌年の田植えが終わった頃に、
耐久卵から、孵化して出て来るそうで、また、メスだけで増えていきます。
また、耐久卵は一度に、孵化しないようにプログラムされていて、
再び悪条件になっても、生き延びることができるようになっているそうです。
これによって、ミジンコが全滅することはないそうです。
環境の良いときには、どんどん子どもを増やして、環境が悪くなると、
環境が良くなるまで耐えられる卵を生んで、生き延びるミジンコの生態は、
猫や人間にはない優れたシステムのようです。
ではまた、広報担当サマンサでした。
追伸、以前、生まれたばかりのミジンコが子供を生んだのを見たことがあります。
母親のお腹の中にいるときに、妊娠していたと思っていたのですが、
育房から出てきて子供を産んだようです。
今、2009年3月23日、国際宇宙ステーションに滞在中の土井隆雄さんは、
日本初の有人宇宙施設、きぼうの船内保管室に、
日本から持ち込んだミジンコの卵を収めたそうです。
稚魚のエサになるミジンコを研究している、
福井県立小浜水産高校の先生と生徒たちが提供したミジンコとのことです。
ミジンコは周囲の水温が上昇したり、
乾燥して水が減った時など、
生息環境が悪化すると卵を産む性質があります。
で、生息環境が良くなるまで卵は孵らない頭のよい生物です。
土井さんは、このほか、宮崎大学から託された、
ミヤコグサとアサガオの種もきぼうの船内保管室に保管したそうです。
半年後、スペースシャトルで地上に戻し、
希望する小学校、中学校、科学館に配布するそうです。
ウチでもミジンコを飼っています。
ウチでは、ミジンコはメダカの餌なのですが、
ミジンコが増えると、それを食べてメダカが増えます。
メダカが増えるとミジンコが減り、ミジンコが減るとメダカも減ります。
まあ、もっと詳しく書くと、ミジンコをメダカが食べて、
メダカの糞を肥料に藻や水草が繁殖します。
その藻や水草をミジンコが食べて、ミジンコが増えます。
また、水草の根にメダカが卵を産みます。
水草は水中の炭酸ガスを減らして、酸素を増やします。
そうそう、太陽の光も必要ですから、陽の当たる所に置いてあります。
ミジンコとメダカと藻や水草の関係を考えると、
小さな地球というか、小さな宇宙というか、そんな関係なのだと思います。
どなたか、実験して数値で、これらの関係を表してください。
ではまた、広報担当サマンサでした。
追伸、メダカは近くの千曲川のメダカ、水草はウォーターレタス、
藻は名前が分かりません、また、ミジンコはおかめを使っています。
ウォーターレタスは特定外来生物による生態系等に係る指定があります。
注意が必要です。