はゝき草。葉を食にもし、あへ物、あつ物、種々料理に用ゆ。圃に畦作りしうゆるに及ず。屋敷の内、庭の端端よく肥たる所、又ハ菜園の道ばた、かきぎハなど、物の妨ならぬ所を見合せうゆべし。大小二色あり。南蛮帚とて、枝こまくしげきあり。又前々よりあり来る、枝のあらく木のごとく大く甚さかゆるあり。二色ともにうゆべし。茎枝細くしげきハ、しなやかにしてよけれども、茎よハくして、荒莚などをはくにハあしゝ。然るゆへに、大きをもうへて共に用ゆべし。
切取時分、少々見合せあり。わかく青き内ハ、よハし。おひ過れば、はしかくて、おれやすし。秋実りて葉あかくなりたらバ早く切べし。凡七月末より八月中比切て、しバし、外にさらして後取入をき、帚に用ゆべし。子ハ地膚子とて薬にも用ゆる物なり。子をとりたねにするハ、九月の半霜のふるまでもをくべし。凡かやうの物、皆其出来の遅速〈をそきハやき〉によるものなり。時を定めがたし。
農業全書四巻 一覧
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