フランスのワインの産地、ボルドーで1885年に、ボルドー大学の教授らによって
発見された殺菌剤のボルドー液は、有効成分の硫酸銅と生石灰を混ぜ合わせて
作られる古典的な農薬ですが、撒布すると、青い硫酸銅より白い生石灰の色が
作物に残留して、その毒々しい色が農場から作物の盗難を防ぐために
使用されたのが始まりとのことです。この盗難防止用のボルドー液は、思いがけず、
菌類による植物の病気を抑制する働きがあることが実験で分かり、殺菌剤として
使われるようになったそうです。日本では、1897年頃から、ブドウ、梨やリンゴなど
果樹の病気の農薬として使われるようになったが、近代的な殺菌剤が開発されてからは
使用量が減ったそうです。減少した理由は、果実のほぞの部分に、薬液が溜まり、
乾燥して残留するため消費者や販売業者から農薬が付着している、と苦情が
多かったためのようです。ただ、ボルドー液は植物が自らだす、ホルモンの一種である
エチレンの分泌を促し、病気に対する抵抗力を強める働きがあることが発見されてから、
再評価されるようになったそうです。また、ボルドー液を使用していても有機栽培の
認定を受けることができる農薬として知られ、現在でも使用されています。
ボルドー液は盗難防止用の薬剤として開発されましたが、殺菌剤としての効能が
実験で実証され、さらに病気に対する抵抗力が強まることが分かり、
思わぬ方向に発展してきた農薬です。
ではまた、広報担当サマンサでした。
追伸、ところで、実際に盗難防止の役目を果たしたかどうかは、
泥棒からのコメントが無く分かりません。
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盗難防止用の薬剤
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