『かてもの』と言う本があります。かてものは飢饉の時、主食である
穀物とともに炊き合わせを行う食物が書かれています。飢饉などで
食糧不足に陥った際、主食を節約するための代用食となる食物と
調理方法が書かれています。天明3年(1783)に起きた飢饉救済を
参考にして研究され、寛政12年(1800)、当時の米沢藩重臣、
莅戸善政が、執筆した飢饉救済の手引書で、2年後の享和2年(1802)に、
前藩主上杉治憲(鷹山)の命によって、1575冊発行されました。
発行されてから、30年後の天保4年(1833)の大飢饉の時に活用されたと
書かれています。また、昭和9年(1934)の飢饉の時に活字にして刊行され、
昭和16年(1941)、太平洋戦争で食糧事情が緊迫した際も活用されたそうです。
かてものに、くぞの食べ方が書かれています。くぞの葉、くずの葉と
も云う、わか葉をよくゆびき、かてものとす。くずの根、根を掘とり、
つきくだき汁をとり水簸(すいひ)すること十篇あまりし、団子にして
食らう。※ゆびきとは、ゆびくこと。特に、魚や鶏肉などを熱湯に、
くぐらせて表面だけ熱を通すこと。 ※水簸とは、陶芸用語で、土粒子の
大きさによって水中での沈降速度が異なるのを利用して、大きさの違う
土粒子群に分ける操作、陶土を細粉と粗粉に分けたり、砂金を採集する
方法とのことです。今は、葛の葉も根も食べる人はいないと思いますが、
子供の頃には、デンプンに砂糖を入れ、熱湯をかけたものを葛湯と
言って飲んだことがあります。昔から離乳食、流動食、介護食、病み
上がりの食べ物として食べられてきたそうです。
ではまた、広報担当サマンサでした。
追伸、かてものには飢饉の時の食べ物が約80種の紹介されています。
当社の図書館でコピーを販売しています。
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何を食べて、命を繋いで来たかが書かれています
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