一 極楽東門迄拾万億道但し一日に
弐拾五里積 日本の三拾六町一り
にして
合弐百五拾万億里
一 往生人の内 老人小児
女病人ホ有之に付一日に
五里歩行の積り
一 泊り日数合五拾万億日
壱ヶ年に三百五拾五日の割
一 極楽東門迄道中年数
合千四百弐拾弐年百
九拾日
一 旅篭一泊り六拾四文
昼飯三拾弐文宛
合五百億貫文
一 草履一日に一足七文宛
合三千六百四拾五億八千
三百三拾三万三千三百三拾
三貫ト三百三拾二文
一 上戸一日ニ酒拾弐文 下戸
餅拾弐文ツッ
合六千弐百五拾億貫文
右道中入用三口〆
答曰ク 五万九千八百九拾
五億八千三百三拾三万
三千三百三拾三貫ト三百
三拾弐文
此金高 銭両替七貫弐百文
壱万三千六百拾弐億
答六千八百九拾三万九千
九拾三両三分ト七百
七拾弐文
右金子千両箱に入
箱数拾三億六千百
弐拾六万八千九百四拾箱
一 酒一日に弐合積り餅も
平物に〆桝数
合千億石
右桝の数千石船に積
船数合壱億艘
右の通り極楽東門迄の
道中用意可致事也
是迄死行人多く有之
候得共一人として
便なきこそ道理な利
日本開闢より漸二千余年也
然ば初メより死行人いまだ
極楽へ到着せし者一人
もなく 定る道中にうろたへ
盗賊方に取りいられん
右金子無之人ハ必〃
往生を願ふべからず
如来貧福貴賤老若
男女共に至やす さ
やうにとて恵せぬ六千の
小法かひ念仏にて
中々思ひも寄らぬ
事共也 随分息才にて
味きものを喰ふて
したひ事をするが肝
要也
各々様能〃御勘弁
被成候哉 御一人前 右の
路用金並に扶持方酒の
類如此御座候 已上
村松古寿 花押
(江戸時代の人が計算した、極楽東門まで行くのにいくら掛かるか、
を訳して見ました。古文書のコピーを販売しております。)