キッチンガーデン向けに通年タネを提供するサイト「伝統野菜のタネ」を新設いたしました。そばの種がご入り用の場合には、お問い合わせください。
戸隠の様に蕎麦の産地の特徴は、まず、水がおいしいという条件がありますが、大きな要因として、土地が痩せているという点があります。
写真の蕎麦の種。そばの実は、国産の在来種のソバなんですよ。戸隠そばは、有数な日本そばのブランドでもあるし、産地でもあります。ちょっと、貴重な蕎麦で、スプラウトの実験をしていますので、また、後日のブログで報告いたします。もし、興味がおありでしたら、少量少額ですが、お分けしております。ご興味がおありでしたら、お問い合わせでご相談ください。オークションにも出品しています。「戸隠そば」で検索してみてください。
さてさて、お米の栽培が可能な場所では、そばを育てることはありません。なにより、収量が違うからです。どうしても、そばの反別収量はお米より、すくないのです。
ただ、痩せた土地で、また、寒い環境でも栽培できる特性は、お米の栽培可能地域よりも、広範囲で作物を育てることができるということになります。
どうして、蕎麦が痩せた土地でも、十分に収量がとれるのかというと、本によると、日本の土地は、肥料分となる窒素源を多く含んでいるものの、土壌成分としっかりくっついていて、植物が利用できる状態にないそうで、そばの場合は根から酸性物質を分泌し、アンモニアを土から分離させることで、肥料源を得ているためだそうです。
このそばの栽培によって、山間部や寒冷地の地域では、命をつないできた植物です。古い文献の秋山紀行など見ても、お米を食べているひとはいません。雑穀ばかりです。
いまでは、東南アジアの麻薬の一大栽培地域、魔のトライアングルの地域では、代替作物として、長らく蕎麦の栽培が行われています。なかなか、金額が高くないのですが、今まで農業ができなかった場所に産業の一つとしてひろがっていきます。時代は変化していきますが、まだまだ、蕎麦は多くの人を救っているようです。
食品の値段は下がる一方ですので、国内の農業は、機能できなくなっています。まだ、悪くなるとすれば、農家は肥料も農薬も買えなくなることでしょう。そのときは、肥料が無くても育ちやすいソバは、エコロジーな作物ということになるのかもしれません。平地でも、育てることがあるのかもしれません。これから、日本の食を救うのも、ソバかもしれないと、思うのでした。