インターネットショッピングの楽天が運営する電子書籍「kobo」(コボ)でも、長野電波技術研究所の古文書電子書籍の取り扱いが始まりました。
現在、復刻古文書が約500冊と、収蔵している日本中世界中の古写真・挿絵画像を約3000タイトルが掲載されています。将来的には復刻古文書が3500冊になる予定です。
企業規模が小さく、また、ニッチな資料ですので、価格は割高ですが、貴重な資料を身近にする試みして、さらにたくさんのお客さんに利用してもらえる環境ができたことは、良かったのではと思います。
なんで、amazonアマゾンのkindleキンドルや、アップルコンピューターのiphoneやipadじゃないの？という意見もあるかと思います。
将来的には、広げていきたいと思いますが、現状、アマゾンでは規約上、古文書は扱わないということ。アップルコンピューターは、書籍登録の際に検閲ともいえる審査があるということは、これからの書籍の形として疑問に思っている点でもあります。
その2社と比較し、楽天koboは新しい電子書籍の会社です。スタート時にも様々なトラブルも耳にしますし、本の分類や、ソフトウェアの不便な点など荒げ刷りな点がおおくありますが、今後、良くなっていくことと思います。実際、今回の提携に当たって、新たに改良されたソフトの開発の上で実現しています。
日本の電子書籍の普及は難航してきました。特に戦国時代ともいえるように、出版社主導のもの。家電メーカー主導のもの。私どもも、あらゆる機器への対応を考え、PDF電子書籍を提供するようになってから10年近く経つので、小さいながらも業界では老舗といえるのかもしれません。
結果的に、多種多様の保存形式とリーダー機器がでまわり、販売書籍も各社まちまちとなり、統合できなかった一面があるかと思います。
個人的な意見としては、特に日本独自だと思いますが、従来の書籍販売の出版社・印刷会社・書店さんの関わりの中で対応が遅れ、そのさなかにアマゾンやアップルコンピューターの普及が進んでいるように思います。楽天は日本の企業でもありますし、従来の日本の出版の兼ね合いをつなぐ役割を果たせればと期待します。
koboの機器の使用感想は、また次の記事に書きますが、SDカードのスロットがあることも、koboに好感を持つところです。先のkindleとipadは、利益確保のためか、保存容量の大きさによってずいぶん価格が違いますし、バックアップや機能の拡張には消極的な対応になっているように思います。
また、繰り返し説明しなければと思うことに、液晶画面と異なるEインクという画面の特性です。koboの現段階の機種はモノクロです。これは、より紙に印刷した状態に近い画面で、スマートフォンの様な液晶と比較し文章文字が読みやすく、また省エネで説明書によると一度の充電で一ヶ月ぐらい保つようです。(無線LANなどの機能を使うと短くなりますが、スマートフォンやタブレットとは比較になりません)
これは、基本的に墨で書かれた和本古文書を復刻して書籍にしている私どもにも適した機器であるように思います。(私には十分でしたが、たくさんの書籍を入れると、特に最初のアクセス時に反応はゆったりしています。お気に入りの本棚の設定については、早めにアップデートは期待するところです)
もうじき、カラー液晶のアンドロイド端末もでるようですし、kobo端末じゃなくても、スマートフォンPCでも読めるアプリも、そのうち出てくると思いますので、ぜひ、ご利用いただけばと思います。よろしくお願い致します。
